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東アジアから他の地域に移動した民族とその後継国家

東アジア(現在の中国・朝鮮半島・モンゴル・満洲・チベット)から移動し、他の地域(中央アジア・南アジア・東南アジア・西アジア・ヨーロッパなど)で国家を形成した民族をまとめました。


目次

東アジア発の移動民族と後継国家一覧

民族移動時期移動先ヨーロッパ・アジアでの影響後継国家
匈奴(Xiongnu)1~5世紀中央アジア、西アジア、東欧西進した一派がフン族になり、西ローマ崩壊の一因にフン族(間接的に西ローマ帝国滅亡)
鮮卑(Xianbei)3~6世紀中国北部、中央アジア北魏を建国し、漢文化を受容北魏(386~534年)
突厥(Türks, Göktürks)6~8世紀中央アジア、西アジア、東欧突厥可汗国を形成し、後のトルコ系国家の基盤に西突厥(583~657年)、カラハン朝(840~1212年)
ウイグル(Uyghurs)9~10世紀中央アジア、西アジアイスラム化し、チュルク系民族の一部にカラハン朝(840~1212年)、チャガタイ・ハン国(13~16世紀)
契丹(Khitan)10~12世紀中央アジア、西アジア遼滅亡後、西進し西遼を建国西遼(カラ・キタイ)(1124~1218年)
女真(Jurchens, Later Jin)12~17世紀中国北部、満洲明を滅ぼし、清を建国清(1616~1912年)
モンゴル(Mongols)13~15世紀ユーラシア全域モンゴル帝国を形成し、世界史に巨大な影響を与える元(1271~1368年)、チャガタイ・ハン国、イル・ハン国、キプチャク・ハン国
タタール(Tatars)15~18世紀東欧、ロシアモンゴル帝国の名残としてロシアで存続クリミア・ハン国(1441~1783年)
チベット系民族(Tibetans)7~15世紀ヒマラヤ周辺、インド、中央アジア仏教文化を拡散、ラダック・ブータンなどで独自発展ラダック王国(1460~1842年)、ブータン王国(1616~現在)

民族ごとの詳細と後継国家

1. 匈奴(Xiongnu) → フン族(Hun)

  • 移動ルート
    • 紀元1~2世紀、漢の攻撃により西進。
    • 一部は中央アジアへ移動し、フン族の祖先となる。
    • 4~5世紀、フン族として西ローマ帝国に侵入し、ゲルマン民族大移動を引き起こす。
  • 後継国家
    • 直接的な後継国家はないが、フン族が西ローマ帝国滅亡(476年)に関与。

2. 鮮卑(Xianbei) → 北魏

  • 移動ルート
    • 3世紀、五胡十六国時代に華北へ進出。
    • 386年、拓跋部(鮮卑系)が北魏を建国し、中国を統治。
  • 後継国家
    • 北魏(386~534年) → 北斉・北周 → 隋・唐へ統合。

3. 突厥(Türks, Göktürks) → 西突厥・カラハン朝

  • 移動ルート
    • 6世紀、モンゴル高原から中央アジアへ進出。
    • 7世紀、唐と対立し、西突厥が中央アジアに定住。
  • 後継国家
    • 西突厥(583~657年)
    • カラハン朝(840~1212年)(イスラム化したトルコ系政権)

4. ウイグル(Uyghurs) → カラハン朝・チャガタイ・ハン国

  • 移動ルート
    • 840年、ウイグル可汗国が崩壊し、西域へ移動。
    • 10世紀以降、イスラム化が進む。
  • 後継国家
    • カラハン朝(840~1212年)
    • チャガタイ・ハン国(13~16世紀)

5. 契丹(Khitan) → 西遼(カラ・キタイ)

  • 移動ルート
    • 1125年、遼が金に滅ぼされ、一部が中央アジアへ移動。
    • 1124年、西遼(カラ・キタイ)を建国。
  • 後継国家
    • 西遼(カラ・キタイ)(1124~1218年)

6. 女真(Jurchens) → 清

  • 移動ルート
    • 17世紀、後金を建国し、1644年に明を滅ぼし清を樹立。
  • 後継国家
    • 清(1616~1912年)

7. モンゴル(Mongols) → モンゴル帝国・キプチャク・ハン国

  • 移動ルート
    • 13世紀、チンギス・ハンのもとでユーラシア全域を征服。
  • 後継国家
    • 元(1271~1368年)
    • チャガタイ・ハン国(1225~1687年)
    • イル・ハン国(1256~1335年)
    • キプチャク・ハン国(1242~1502年)

8. タタール(Tatars) → クリミア・ハン国

  • 移動ルート
    • 15世紀、モンゴル帝国崩壊後、東欧・ロシアでタタール人が独立勢力を形成。
  • 後継国家
    • クリミア・ハン国(1441~1783年)

9. チベット系民族 → ラダック王国・ブータン王国

  • 移動ルート
    • 7世紀、吐蕃(チベット帝国)がインド・中央アジアへ進出。
    • 15世紀以降、ブータン・ラダックが独立。
  • 後継国家
    • ラダック王国(1460~1842年)
    • ブータン王国(1616~現在)

まとめ

東アジアからの移動民族は、西進し中央アジア・西アジア・東欧で国家を形成し、世界史に影響を与えた。
特に契丹(西遼)、突厥(カラハン朝)、モンゴル(キプチャク・ハン国)などは、遊牧民の強い影響を持つ後継国家となった。

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